カルダモン

●英名:Cardamon
●和漢名:しょうずく(小豆寇)
●学名:Elettaria cardamomun MATHON
●科名:ショウガ科の多年生草本
●原産地:スリランカ、インド南部
●主産地:インド、グアテマラ、タンザニア、スリランカ、パプアニューギニアなど

 カレー料理などに欠かせない高級スパイスであるカルダモンは、根茎から数本の総状花序を出し、多くの花をつける。さく果は卵形あるいは楕円形をしており、この中にごま粒大の種子が縦に4〜8個、不整の2列をなして含まれている。このさく果をスパイスとして利用する。
 元来カルダモンは東洋のスパイスであるが、ギリシア・ローマ時代にはすでに、ヨーロッパにも広まっていた。世界各地で使われているカルダモンだが、サフランに次いで高価なスパイスであることから、高級料理に使用されることが多い。

カルダモンの品種

 日本においては、主にインド産が輸入されているが、産地によって若干、香味が異なる。高価なスパイスだけに類似品が出回っているため、注意が必要である。

《見分け方》
■セイロンカルダモン……スリランカの中央部または南部の森林に産する。カルダモンに類するものではあるが、果実はカルダモンより長く2.5〜4センチにもなるため、長形カルダモンとも呼ばれている。品質はカルダモンより劣る。
■白豆寇……タイおよびスマトラに自生している。果実はシャムカルダモン、円形カルダモン(ラウンド・カルダモン)と呼ばれており、真正カルダモンの代用品である。

カルダモンの香味

 カルダモンの香味は、中の種子の熟度によって変わってくる。さく果の外皮にはほとんど香味はない。清涼感のある樟脳に似た芳香をもつ。全体的に香りが強く、食べるとわずかに刺激があるのが特徴である。
 香りの主成分であるシネオールとテルピネオールは、精油中の40%を占めている。
 原産地であるインドや中近東、北欧諸国では、カルダモンを最も好んでいる。これらの国では「たとえ米を買う金しかなくてもカルダモンを買うだろう」といわれるほどである。

カルダモンの利用法

■カルダモンには肉類の消臭効果があり、特にハンバーグやミートローフなどの挽き肉料理によく合う。入れ過ぎると、臭いのきつい料理になってしまうので、量は控えめに使う。ほかのスパイスとブレンドして使うのがコツである。インドではカレー料理をはじめ、いろんな料理に使われている。
■カルダモンは甘い料理や飲み物にも合う。中でも、サウジアラビアでよく飲まれている「ガーワ」と呼ばれるカルダモンコーヒーは、お客を招待する際の歓迎のシンボルとなっている。
■北欧諸国では、パンや焼き菓子に加えることが多い。スウェーデンではシナモンよりも多く使われている。粉末を生地に練り込んだり、ふりかけることによりエキゾチックな風味をつけることができる。
■シナモンシュガーと同様に、カルダモンシュガーを作っておくと何かと便利である。作り方は砂糖カップ1に対してカルダモン粉末をティースプーン約2分の1の割合で混ぜる。
■カルダモンはカレーパウダーやソース、ピクルスなどの加工食品の分野でも活躍している。
■食後にカルダモンのホウルを口に含むと、口中清涼剤としてアルコールなどの匂いを消してくれる。

カルダモンの薬効

 消化促進、鼻炎、頭痛に効果的。駆風、興奮、鎮痙作用がある。強い矯臭力があるため、口中清涼剤としても利用されている。

カルダモンの栽培

■野生以外は、熱帯地方で商業的に栽培されている。品質のよいものを得るには、海抜750〜1500メートルで年間平均気温が22度以上、降雨量が2500〜4000ミリの熱帯性気候を条件とし、そのうえ、常緑樹が茂り、日陰ができるような湿地帯がよいとされる。

■カルダモンは、種子まきか地下茎の株分け法で栽培する。4年目から結実しはじめ、その後10〜15年間は収穫が可能である。収穫は、まださく果が緑色で、4分の3ほど熟した状態のところで行う。収穫後は水洗いをし、3〜4日間天日乾燥をする。さく果の緑色の退色を防ぐために人工的に乾燥させることもある。

カルダモンとカレー料理

 カルダモンは、カレー料理には欠かせないスパイスの一つである。結実するのに4年以上かかるため、サフランに次ぐ高級スパイスとなっている。
 上記の薬効の他にも、カルダモンには心を温かくほぐす力があり、神経バランスの回復に良いとされている。また、肌細胞を活発にするため、女性には嬉しい美肌効果もある。
 カルダモンを始め、カレーに使われるいくつものスパイスは、食べる者に対していつくもの効果を与えてくれる。身体のみならず、心までも改善してくれるのである。まさにカレーは“魔法の料理”である。